ノエル通信

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VOL.15

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Vol.15

みなさまのお役に立つ情報や楽しい話題をお届けしようと思います。ニュースレターの名前は「ノエル通信」です。どうしてノエル通信なんでしょうね。その不思議にも追々せまってみたいと思います。

診療内容

65歳からの肺炎予防 ~肺炎球菌ワクチン予防接種について~
 予防接種法の一部改正により平成26年10月より高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まりました。
肺炎は日本人の死因の第3位であり、肺炎による全死亡数の約96%が65歳以上です。今後高齢者の増加に伴いますます肺炎になったり肺炎で亡くなったりする方が増えることが予測され、肺炎予防は重大な課題となっています。

 肺炎とは、主に細菌やウィルスが肺に入り込んでおこる感染症で、発熱、悪寒、息切れ、痰を伴う咳、胸痛、倦怠感など、一般的な風邪より重い症状がみられます。原因となる病原体は日常生活の中に存在しており、免疫力が弱まった時に感染しやすく、重症化すれば死亡することがあります。肺炎の一番多い原因菌は “肺炎球菌”です。

 肺炎球菌は主に小児の上気道に棲息しています(保菌)が、高齢者でも鼻やのどの奥に菌が常在していることがあります。菌を保菌していてもすぐに発病する訳ではありませんが、風邪や、特にインフルエンザに感染すると気道の繊毛上皮が損傷され、保菌していた肺炎球菌、または気道分泌物や唾液などを通して飛沫感染で侵入した肺炎球菌が増殖し感染症をおこします。肺炎だけではなく中耳炎や髄膜炎、敗血症を起こすこともあります。

  また、近年ペニシリンをはじめ多くの薬剤が効かない多剤耐性肺炎球菌が増え、治療が困難なこともあるため 予防が極めて重要となります。

  肺炎球菌による肺炎の感染や重症化を予防するのが肺炎球菌ワクチンです。肺炎球菌は双球菌()といい、対になった果実のような形をしていますが、菌体の外側を莢膜(きょうまく)という厚い膜で被われており、ヒトの免疫をつかさどる物質が菌体に結合しても莢膜がバリアとなり作用が妨げられ免疫機能が働きにくいという特徴があります。そのため莢膜があることで肺炎球菌の毒性が悪化し、しかも莢膜はヒトの免疫をのがれようと巧みに変化して、病原性を保っていると考えられています。

 莢膜には現在95種類の莢膜型があるとされそのうち23種類の型に効果がある“23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン”を予防接種に用います。このワクチンは全肺炎に対する効果は実証されていませんが、肺炎球菌の莢膜型の約70-80%に対応することができ、多剤耐性肺炎球菌にも有効といわれています。

Streptococcus(連鎖球菌)pneumoniae(肺炎) 19世紀後半にフランスのパスツールらが最初に見つけ、ギリシャ語のStreptos(らせん状)kokkos(水分に富んだ果実)から名づけられました。 発育に血液、炭酸ガス、湿潤環境が必要な為、鼻腔の奥に好んで棲息しています。


 ワクチンの接種については当日発熱や急性の疾患で体調が悪い場合は接種できません。接種後に注射部位の発赤、腫れ、痛み、掻痒感、発熱などがみられることがありますが、通常は2、3日で治まります。


  接種後約3週間で免疫ができ、1回の接種で少なくても5年間は免疫が持続するといわれています。2回目の接種は注射部位に痛みなどが強くでることがあるため5年以上は間隔をあける必要があります。健康な65歳以上の方はもちろん、呼吸器疾患や糖尿病、肝臓病などの持病がある方、施設などで共同生活をされている方は積極的な接種が望まれます。


  ワクチン以外にもマスク、うがい、手洗いを励行し、口腔内の清潔、誤嚥を防ぐなどで肺炎予防に努めましょう。規則正しい生活、禁煙も大切です。                                (院長 橋爪喜代子)

 

茨木市より定期接種(今年度65、70、75、80…100歳)助成の案内ハガキが来た方については、75歳以上の方はまず茨木市こども健康センター(TEL:621-5901)にお電話が必要です。予診票の送付があります。詳細は受付までお問い合わせ下さい。

スタッフを紹介します

こんにちは。永嶋です。 昨年の4月から週2~3回、午前中 ナースエイドとして勤務しています。
2年半前、普段の不摂生から健康診断で血圧、血糖、コレステロールなど様々な数値でひっかかり、「生活を改善しなさい」と病院で言われ、運動、減塩、食事改善、やれることはすべて挑戦し、何とか血圧など落着き一安心ですが今も日々“甘い誘惑”と戦っています。減塩、食事制限に取り組んでいるみなさん!一緒に頑張りましょう。何か良い方法、運動などあれば教えてください。



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