ノエル通信

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VOL.12

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Vol.12

みなさまのお役に立つ情報や楽しい話題をお届けしようと思います。ニュースレターの名前は「ノエル通信」です。どうしてノエル通信なんでしょうね。その不思議にも追々せまってみたいと思います。

診療内容

 新年度が始まり新しい生活にも慣れてこられたことと思います。この季節は学校や職場で健診を受けられた方が多いと思います。健診には必ずと云っていいほど尿検査があります。今回は“検尿”についてのお話です

 

 シーケーディーという言葉を聞かれたことありますか?CKD(シーケーディー)とはChronic Kidney Diseaseの略で慢性腎臓病と訳します。2002年に米国腎臓財団がその概念を提唱してから昨年でちょうど10年となりました。CKDはGFR(ジーエフアール)(推算糸球体ろ過量)という腎臓の働きによりステージ分類されていました。GFR60未満(正常は90以上)は特定健診を受けた方の14.5%と比較的高く、日本のCKD患者さんは1330万人に達する国民病であることが解りましたが、その後の検証で同じGFRでも尿蛋白量により予後(病気の将来の見込み)が大きく異なることが解りました。そこで昨年(2012年)出た新しい『CKDガイドライン』では、GFRとともに蛋白尿の程度を重症度のステージ分類に加えることになりました。

 

 CKDを放っておくと腎不全になり透析療法や腎移植を受けなければならなくなる場合があります。それだけではなくCKDがあると心筋梗塞、心不全、脳卒中などの心血管疾患にもなりやすいことが明らかになっています。また、同じGFRでも蛋白尿を伴うほうが末期腎不全や心血管死亡の危険が高いことが解りました。 CKDの早期発見のためには何よりも検尿が大切です。

 腎臓は濾紙にあたる“糸球体”で老廃物をろ過し、尿細管で必要なものは再吸収するため正常なら尿蛋白はごくわずかです。

  異常な蛋白尿の原因としては①糸球体の病変により蛋白の透過性が亢進している場合、②尿細管での再吸収が低下している場合など腎臓の働きに異常をきたしていることが考えられます。蛋白尿の発見のために検尿は簡便で有効な方法ですが、試験紙法で(+)以上の場合は尿蛋白の定量(老廃物との比率を数値で表す)を行います。それは試験紙で(+)であっても尿比重(尿の濃さ)により実際の尿蛋白の量が異なるからです。より正確には24時間の尿を貯めて頂いて蓄尿検査を行うこともあります。また、血液検査で腎機能も調べます。

 

 CKDは “慢性”腎臓病であり定義としては腎障害や尿異常が3か月以上続くものを言います。例えば以前の検尿では尿蛋白が陽性でも再検査で陰性であればCKDではありません。激しい運動後や発熱などで一時的に尿蛋白が陽性となることがあります。また膀胱炎などの下部尿路疾患によることもあります。

 ほかにも検尿で解る項目に血尿(尿に血が混じっている場合)があります。血尿のみが陽性の場合でも末期腎不全のリスクはわずかに高くなることがあります。尿路の異常がなければ原則的には経過観察でよいですが、血尿のみの患者さんの約10%で経過中蛋白尿が陽性になることがあり注意が必要です。また、検尿で尿糖や、試験紙の種類によっては白血球尿(尿路感染などで陽性と なる)が解ります。

 

 透析患者さんは依然増え続いていますが、新規の導入患者数は2009年度に減少に転じています。これもCKD対策の成果の表れと思います。CKD発症の危険因子は、高齢、CKD家族歴、過去の検診における尿異常や腎機能異常、脂質異常症、高尿酸血症、高血圧、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどがあります。このような危険因子のある方は定期的に検尿を受け、CKDを発症する前から高血圧、糖尿病のコントロールや生活習慣の改善を行い、予防に努めることが重要です。そのためにはエネルギー、食塩過剰摂取、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスなど生活習慣の乱れを改善する必要があります。既にCKDを発症している方は生活習慣の改善とともに原疾患の治療を行います。健診で蛋白尿、血尿を指摘された方はまずはかかりつけ医で再検査を受けて下さい。

 

                                      (院長 橋爪喜代子)

 

スタッフを紹介します

はじめまして。看護師の門坂瑠璃子です。

4月から金曜日の午後診と第2・4土曜日に勤務させて頂いています。まだまだなれないこともありますが、心配りと笑顔を忘れずに勤務したいと思います。 はしづめ内科の一員として患者様の治療のお手伝いができるように頑張りますのでよろしくお願い致します。



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