ノエル通信

ノエル通信
VOL.8

ノエル通信

Vol.8

みなさまのお役に立つ情報や楽しい話題をお届けしようと思います。ニュースレターの名前は「ノエル通信」です。どうしてノエル通信なんでしょうね。その不思議にも追々せまってみたいと思います。

診療内容

今回は“脂質異常症”についての説明です。コレステロールや中性脂肪といった脂質は生体膜やホルモンの材料、エネルギー代謝などにおいて生命維持に大切な働きをしています。通常脂質は食事から摂取されたり、肝臓で合成されたりして、血液中に一定の値に調節されていますが、食生活の欧米化に伴い脂質摂取量が増加し、厚生労働省が発表した平成18年の調査結果によると脂質異常症が疑われる人は約1410万人と推計されています。

脂質異常症の診断基準はLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)の値が用いられます。コレステロールには悪玉(LDLコレステロール)いと善玉(HDLコレステロール)があり、LDL(悪玉)コレステロールは血管壁に沈着して動脈硬化を進め、HDL(善玉)コレステロールは血管壁に蓄積した過剰なコレステロールを取り出し動脈硬化を抑える作用があります。以前は“高脂血症”と呼ばれていましたが、2007年から、“脂質異常症”と呼ばれるようになりました。というのは“低”HDL(善玉)コレステロール血症(善玉が低い)や、LDL(悪玉)コレステロールの“質の異常”も動脈硬化を進ませるので、併せて “脂質異常症”と呼ぶようになりました。

 

LDL(悪玉)コレステロール140mg/dl以上、HDL(善玉)コレステロール40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上が脂質異常症の診断基準となります。脂質異常症は*動脈硬化の危険因子の一つです。

 

*動脈硬化とは血管の内側にプラークと呼ばれるコレステロールの固まりが形成され血管の内腔が狭くなったり詰まったりする状態で、心臓を養う血管(冠動脈)に起こると心筋梗塞の原因になり、頚動脈の硬化は脳梗塞の原因になります。

プラークの内部のコレステロールはLDL(悪玉)コレステロール由来であり動脈硬化に密接に関係しているのはLDL(悪玉)コレステロールです。特に心筋梗塞では、脂質異常の管理が予防のために最も重要で、LDL(悪玉)コレステロール値を20%近く下げると心筋梗塞の危険が約3分の2に減ると云われています。低HDL(善玉)コレステロール血症や高中性脂肪血症は糖尿病、肥満や高血圧など他の生活習慣病をしばしば合併し、メタボリック症候群の診断項目に取り込まれています。

脂質異常症の原因は摂取エネルギー過剰などの食習慣、運動不足などとともに遺伝的な素因もあると云われています。遺伝による家族性高コレステロール血症は500人に一人と比較的高頻度であり、家族が若い頃に心筋梗塞になったことがあったりなどの病歴が参考になることがあります。はっきりした遺伝とは別に、脂質異常症になりやすい体質の人もいます。また、甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群など他の疾患で二次性に生じることがあります。

自覚症状は殆どないことが多いですが、アキレス腱が肥厚したり皮膚に黄色腫という結節性の病変が起こったりすることがあります。

 

労作時に胸痛がある場合、既に心臓の冠動脈が狭くなっている可能性があります。また、中性脂肪が著しく高くなると(1000mg/dl以上)膵臓が大量に脂肪分解酵素を分泌し、膵臓自身も消化してしまい急性膵炎を起こす事があり、激しい腹痛に注意が必要です。(院長 橋爪喜代子)
 ☆次号へつづく…次号は 脂質異常症の治療、食事の注意などについてです。

 

スタッフを紹介します

塩田
はじめまして。月曜日と土曜日(隔週)の午前に勤務している看護師の塩田です。

7月から勤務したばかりなので、ようやく慣れてきたかな?というところです。以前病院で、腎臓、糖尿病内科の病棟で勤務していました。このクリニックに来院される患者様も同じ病気の方が多いので、以前経験したことを生かしながら頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。


編集後記

◆秋の深まりとともにインフルエンザ予防注射接種が10月より始まりました。

 詳細は院内の掲示またはお電話にてご確認ください。

◆おかげさまで11月1日に5周年を迎えます!

発行年の情報により作成しています。
その後のガイドライン改訂などにより最新の情報を
反映していない場合があります。

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